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1996年

薬学会「育毛剤として」の発表
石川県金沢、第116回日本薬学会


北里研究所: 秋丸洋子、乙黒和彦、鈴木英世、駒形安子、小林英郎、
         小宮山寛樹

ミヤウチ柑橘研究所: 宮内ユタカ



【目的】

柑橘果皮エキス由来のウサギの髭培養毛乳頭細胞増殖促進物質について
近年、毛関連細胞の初代・継代培養が可能となってきており、これらの細胞に対する化合物の評価が行われつつある。演者らは、毛関連細胞のうち発毛のメカニズムを担っている間葉系の細胞である毛乳頭細胞に着目し、ウサギの髭毛乳頭細胞の培養系の確率と培養毛乳頭細胞(Cultured Papilla Cells: PCs)の増殖を促進する柑橘果皮エキス由来の物質について検討した。



【結果】

日本白色系ウサギから分離した髭毛乳頭をシャーレにexplantし、20%FBS-DMEMにて継代培養した。柑橘果皮エキス1.8リットルを出発原料とし、濃縮後の水溶液をカラムクロマトグラフィーで精製し白色の粉末を単離した。本物質は、水溶性塩基性の物質で、本物質の酸加水分解物のアミノ酸分析でヒドロキシプロリン、リジンを多く含むペプチドであることが明らかとなった。本物質は2.8μg/mLでPCsの増殖を150%促進した。

 

小宮山寛機医学博士・
北里大学教授
(社)北里研究所